INTRODUCTION

人は過ちを犯す。
人である以上、過ちから逃げることはできない。
だから人々は、過ちを犯さない存在を求め、パンドラの箱を開けた。

人工知能――AIだ。
人々はAIに、犯罪捜査から逮捕、起訴、裁判に至るまで、その役割を委ねた。
街には警察アンドロイドが配備され、AIによる管理は着々と進んでいた。

徹底した管理の下、検挙率100%を誇る第一中枢統治区域――一区。
多くの一般市民が平和に暮らす、第二標準管理区域――二区。
そして、AIによる管理がまだほとんど行き届いていない第三治安調整区域――三区。

人々は信じていた。
間違いのない世界は、すぐそこまで来ていると。

――だが、箱の底に残っていたものを、まだ誰も知らない。